2年生の皆さん、元気に過ごしているでしょうか。新型コロナウイルス感染症の影響で、皆さんが登校できなくなって早くも2ヶ月が経ちました。皆さんの元気な声や笑い声が聞こえなくて、部活や勉強を頑張っている姿を目にすることもできなくて、学校は時間が止まってしまったかのようです。しかし、その間にも季節は移り替わっています。体育館入り口や中庭にある桜の樹は満開になり、ハラハラと散り、今は青々とした葉をつけています。
こういう大きな出来事に遭った時、私は「方丈記」の一節を思い出します。鴨長明が記した「方丈記」の主題は無常観です。(中学校で習いましたか?)簡単にいうと、「すべての物事は絶えず変化していて、ずっと同じであるものなどない」という考え方です。この考え方は、1000年前の古典の世界だけでなく、現代の私たちにも通用します。それは、「今、自分の周りで起こっていることが、永遠に続くわけではない」ということです。楽しいこと、嬉しいことにも終わりは来ます。一方で、苦しいこと、辛いことにも必ず終わりが来ます。
今、皆さんが抱えている感情はどのようなものでしょうか。「学校が無くてラッキー!」ですか?それとも、「友人と会えない、好きことができない!」ですか?一人一人抱えている感情は違っても、私から伝えたいことはこれだけです。「今の状態もいつか終わりが来る。だから、楽観視しすぎたり、悲観的になるのではく、その時のために備えよう」
今、皆さんにできることはなんですか?すべきことはなんですか?時間だけは国も身分も関係なく平等に訪れます。大切に大切に過ごしてください。
初夏の陽気に誘われて、ついついどこかに行きたくなってしまったり、少人数なら・・・と友達と会いに出かけたくなったりする気持ちはとてもよく分かりますが、みなさん一人一人の行動が自分自身にも、周りの方にも大きく影響を及ぼします 。どうか、くれぐれも自分も周りも大切に。この大難を乗りこえて、ひとつ成長した皆さんと会えることを楽しみにしています。