毎年5月に教育実習が実施されますが、今年は25日(木)から3週間の日程で行われております。私は「教育目標・方針」ということで1時間の導入授業を行っておりますが、本校は卒業生のみ受け入れておりますので、その際に高校時代の一番の思い出と何を学びたくて大学に進学し、現在どのようなことを学んでいるかを自己紹介も兼ねて全員に話していただいております。
今年度の実習生は卒業式の時期にコロナがはじまり、卒業式は急遽、卒業生と私たち教職員のみで行われ、大学入学後はしばらく休校が続き、その後もオンライン授業が続き3年生になってから登校するような特殊な大学生活を送っているようでした。そのことも影響してか、サークルに所属せず、大学の授業と研究室での研究や創作活動などに専念しているようでした。
本校は普通科のみの高校ですが、進学・特進・美術の3つのコースがありそれぞれ独自のカリキュラムが組まれ、それぞれのコース行事がありますので、母校は同じでも思い出はコースごとに特色がでていました。
美術コース出身の卒業生は西新井大師駅近くの商店のシャッターに絵を描いた「シャッターアート」が一番の思い出であり、その体験から美大進学に決定したという話をしてくれました。店主の方の要望等を取り入れながらデザインを考え、やり取りを繰り返しながら最終案を決定し、仲間と協働してシャッターに描き、完成させたときの達成感と喜びは現在の創作の際にも思い出すそうです。そして、その際に店主をはじめ周囲の方々に喜ばれ社会に貢献できたという経験から、美術を仕事にしていこうと決心し、進学先の大学を選んだということでした。
コロナ禍で今の大学生や高校生はかわいそうだなと思っておりましたが、コロナ禍であってもなくても、志を貫き、夢は実現できる。その時に最善を尽くすことが何よりも大事であるということを実習生に教えていただきました。生徒たちにも伝えていきたいと考えております。