日常ブログ[美術コース]

今回の冬休みも1、2年合同デッサン課題を行いました。課題内容は次の通りです。

 

「冬期自宅課題 トイレットペーパーと任意の身の回りのもの」

 

以下、今回の優秀作品の一部と講評です。

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ゴム手袋と金属製?のトレーが手前、トイレットペーパーを奥に置いた遠近感のある構成になっています。手前のモチーフに暗さがしっかり与えられていることで、台に置かれた状況と物の重なりの関係性がはっきり見え、ぐっと引き締まった空間を作り出すことができています。全体的に手数が均等に入っているのですが、質感表現にやや物足りなさがあるので、描く、消す等のやりとりを増やし、部分的に描き込む場所を作ることでモチーフらしい質感をもっと描き出せるようになると良いですね。(山本)

 

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質感の異なる描きごたえのあるモチーフを複数選び、奥行きを意識した配置の中でそれぞれをしっかりと描ききっている、オーソドックスですが積極性を感じるとてもすがすがしいデッサンです。課題としては地面に映る影がやや不自然な点と、形としては要素が近い直立する円柱系のモチーフ(トイレットペーパーとカップ)が二つ並ぶことでそれぞれが引き立て合う力をやや弱めてしまっている部分があるのでこの場合はトイレットペーパーを転がせて描くなど変化をつける工夫があってもよいと思います。(河邊)

 

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シンプルで比較的構成は攻めていないものの、質感や重さに迫れた良作です。マフラー全体のふかっとした手触りや空気感、トイレットペーパーの密で少し重い感じ、そしてその二つの性質の関係性など、表現としての言葉数が増えてきました。最後まで気を抜かない丁寧さと、モチーフからより多くの情報をよみとれる感受性を高めていきたいですね。彫刻科としてはかなり好感の持てるデッサンでした。(佐藤)

 

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台も含めて形作られる「白さのかたち」に対して、トマトの持つ要素(形や調子、質感)がとてもよいアクセントと対比となっています。またモチーフの色味やツヤ、柔らかさまで感じさせる丁寧な描写と画面の空気感もこの作品の魅力を一層高めています。奥の背景と台の状況などまだ荒削りで詰めが甘いところも見られますが、絵画的に画面を作る意識で積極的にアプローチをした姿勢については個人的に評価しています。(河邊)

 

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構成としてはかなりシンプルですが、その分丁寧な観察、丁寧な描き起こしが光りました。今回も持ち前の丁寧さが十分に発揮されましたね。大げさですが、もしかしたらこのトイレットペーパーはあのメーカーかな?なんて思えるほど特徴をしっかりと捉えられています。それに比べるとフォークの印象が少し弱いのが気になります。シンプルな構成ですから、画面全体に気を配りたいです。(佐藤)

 

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トイレットペーパーと芯の最小限の要素で課題に答えようとするクールさが見てとれるデッサンです。配置の仕方にも工夫が感じられます。こすった調子を使うことでペーパーの柔らかさはよく描けていますが、効果的でない場所もありますね。向かって一番右の芯は手前に出て欲しいところもつぶれて見えています。中央の芯の真っ直ぐな輪郭線が少し歪んで見えたり、台の面が湾曲してハリがなく見える等、集中しきれない部分も見え隠れするので、もう少し緊張感を持って取り組むともっと洗練されてくるでしょう。(山本)

 

 

1年生も2年生も大健闘でした!全体を通して感じたことは、皆さんが着実に実力をつけていると言うことです。今皆さんがつけている実力は武器です。絶対に裏切りません。三学期は始まったばかりといえども、すぐに終わって皆さんはまた一つ上の学年になりますね。この一年でつけた実力を次のステップにつなげられるよう頑張りましょう!!