今年も合唱祭の季節がやってきました。私の教員としての合唱祭の思い出は、優勝したことではありません。過去に何回か優勝したことがありますが、一番心に残っていることは教員初年度の2年生のクラスのことです。クラスの半分くらいの生徒が合唱は苦手で、予選前から諦めている生徒がほとんどでした。私も当時は若くなかなか生徒の中に入っていき適切なアドバイスをすることができなかったのです。結果も予選敗退で、クラス内の雰囲気は最悪の状態でした。そのまま私が3年で持ち上がり3年の合唱祭が始まりました。私はとにかくみんなと腹を割って話すことにしました。結果色々な意見は出たのですが、最後の合唱祭、とにかく全力でやることをみんなで約束しました。・・・結果は予選通過ならず、学級委員会推薦クラスにも選ばれませんでした。ドラマのようにはいきません。
ただクラスの生徒は納得がいかず、本選で審査対象外でもいいから歌わせてほしいと、担任の私に詰め寄ってきました。そんな要望も通らず合唱祭本選が終了しました。生徒たちに何って声を掛けてあげればいいか分からないまま、朝のHRに向かいました。生徒たちからは、「こんなに全力で取り組んだのだから、悔しいけれど、頑張った自分達には満足している」という声が聞こえてきました。涙が流れて「よく頑張ったね」と一言掛けることが精一杯でした。その日から合唱祭が大好きで大事な行事になりました。
本日合唱祭予選です。この行事をどう受け止めるかは、結果だけではなくみんなの受け止め方次第ではないのでしょうか。 1年 学年部長 笠原 直人