1年生に引き続き、2年生の紹介です。2年生は前回同様、課題の難易度を志望校別に変えており、今回の自画像は「紙と自画像」と「自画像」という2種類の課題で行われました。デッサンとしては比較的シンプルな自画像ですが、紙というモチーフが加わり、構成の難易度がグンと上がります。とはいえ、自画像ですから思い切ったデッサンを期待していましたが、ほんとに皆良く描けていました!!良作が多く、1年生の頃と比べて皆の成長をしみじみと実感する課題となりました。
それでは、優秀作品を見ていきましょう。
「紙と自画像」
全体的に手数が入っていて描写も丁寧で好感が持てますが、髪の毛の描き込みの密度に比べ目の部分が薄くなっているため、描き途中に見えます。今後は絵の中での主役脇役をはっきりさせ、描き込みの強弱をつけるようにしてみましょう。(山本)
オーソドックスな構成ですが目をひくデッサンです。若干目の明るさが浮いて見えますが、光や空気を感じさせる柔らかく丁寧な調子が魅力です。描きどころ以外での部分でも形態感を意識した仕事や画面の演出などに意識が高まるとさらによくなると思います。(河邊)
穴の空いた紙からこっちを覗いていると言った設定の自画像でしょうか、デッサン課題としてはとてもちょうど良いユーモラスさで見栄えがします!奥の自画像の自然な佇まいも魅力的です。せっかくアイディアは良いので、穴から差し込む光や背景などから像がどう影響し合うかの「関係性」のところまでこだわりたかったですね。(佐藤)
手の動きや表情にやや固さがありますが、自然な佇まいを表現できています。紙の白さや肌の明るい部分の描写が丁寧ですが、陰影に使っている色がやや似てしまったので見えにくくなってしまいました。もう少し早い段階で影の暗さを絵の中に置いて、明暗の印象を合わせていけるといいですね。(野口)
構成として派手さはありませんが答え方が大人です。手と紙の形とそこから見え隠れする顔の関係はとても美しくきまっています。丁寧な描写もこの静かな雰囲気の魅力を一層強めています。手前から奥の腕の繋がりが不自然に見える点や、まだ明るさの印象が似て見えてしまう点などが惜しいです。(河邊)
紙との構成系のデッサンは少なかったので目を引きました。顔の輪郭に合わせて紙のうねりを合わせていく辺りは上手いですね。構成的には紙の物足りなさ、デッサン的には頭部から肩や胸へかけての繋がりの弱さが見えて来てしまいますね。描けているとこは沢山あります!全体にまんべんなくできると良いですね。(佐藤)
「自画像」
大きな動きがあるわけではないのですが、首をやや傾げた自然な動作や表情がとても魅力的だと思います。ここまで捉えることができているので、あとは肌や髪、服などをそれぞれ丁寧に描き込み、細かな奥行きや質感を表現していくことでさらに見所のあるデッサンになるのではないでしょうか。(光廣)
静かな雰囲気が、構図や透明感のある色使いと合っていて、魅力のある自画像です。迫った描写が少し物足りない印象も受けます。顔のパーツ、髪の表現などは観察できているようですが、肌や服は質感の違いを感じながら細かな凹凸を拾って描写できてくるといいですね。(野口)
途中まで迷いながら描き進めていましたが、思い切って黒い調子を乗せてからはぐいぐい描き進められたようです。黒髪や目の周囲は質感までリアルに描けていますので、皮膚や衣服の質感にまで迫れるともっと良い表現ができそうです。(山本)
お疲れ様でした!
ここからは、講評しきれないけど先生達が個人的に好きだった作品をUPします!それぐらい良い作品が多かったんですね!
・・・・・まだまだ、力作が沢山ありましたが、紹介しきれませんでした。
受験の足下が見えて来た時期ですが、着実に力を付けて来ていますね!どんどん行きましょう!