こんにちは。
1年生の専攻美術の授業では、上半期は「ファイン(絵画)」と「デザイン」を2クラスで交互に学んでいきます。
デザインの課題は「レタリング」と「怒・哀・楽をテーマにした平面構成」でした。
デザインでは、ねらいや表現したいことを的確に伝えることの他に、とにかく丁寧に作業を行い美しく仕上げることが非常に重要です。その点に気をつかって丁寧に制作を進められていた人も多かったと思います!
それでは、今回の優秀作品をご紹介します。
名前のレタリング
平面構成
「楽」
塗り方が非常にきれいです。動きを出しながらバランス良く図形を構成することができていますね。寒色の割合は良いのですが、もう少し画面に散らした方が見やすくなると思います。全体的にかなりきれいにまとまっているので、細く小さい枠を意図的に配置したりすると大人っぽい構成ができそうです。
「楽」
配色がかわいらしい雰囲気にまとまっており、塗り方がきれいなので好感が持てます。淡いトーンで揃えているので、色数のわりに見やすい画面になっていますね。構成に関しては、やや単調な動きとばらけた配置がどちらも見られるので、どちらかに寄せてしまった方がバランスのとれた画面になると思います。
「怒」
かなり彩度の低い画面のなかで、鮮やかな赤の配置が非常にきいています。とくに右上の四角が重なり合って出来た細い枠がかっこいいですね。中心を大胆に大きく取っているのも良い結果となったのではないでしょうか。上下どちらかに図形をもう一つ足すなどして重さを出すと安定感が出ると思います。
「哀」
配色が非常に大人っぽく、シックな雰囲気が出ていて素敵ですね。黄色と、明度の大きく異なる紫だけのほぼ2色で構成されていて、黄色の配置が難しい配色だと思いますが、うまくポイントとして扱うことができていると思います。小さな図形がややうるさいので、いくつかをもう少し大きくするか、数を減らしても良かったかもしれません。
「楽」
わりと図形を大きめに配置していて、ダイナミックな構成に仕上がっていると思います。暖色と白に限定しているのも良いと思うのですが、右上の赤と左下の濃い赤だけが少し浮いて見えてしまっています。明度・彩度をもう少しばらけさせるか、逆に同じトーンにまとめるかした方が美しい画面にできそうです。
「哀」
重心を上に持ってきたことで、不安定な画面が作られておりテーマである「哀」と合っていると思います。上の図形と絡んでいない図形がもういくつか入ってくるとさらに動きが出たかもしれませんね。点在している明るい色の配置が良いので、色数を思い切って減らすとさらに哀しい雰囲気になりそうです。
「哀」
ほぼシンメトリーの構成です。画面全体の明度を高めにしていますが、色数を3色程度に抑えたことでしっかりと哀しい雰囲気をつくることに成功していると思います。構成についてはだいたいどの部分も同じくらいの密度の画面なので、それを徹底してやりきるか、密度に差を出すかはっきりさせたほうが良さそうです。
お疲れ様でした!
アクリル絵の具の扱いにはまだまだ慣れない人もいると思いますが、水の量や塗り重ね方は経験によって身についていきます。デザインに興味がある人はどんどん慣れていってほしいです!